文武両道

みなさんに作ってもらうためのお料理と、レストランCROISEMENTのお料理は、ぜんぜん違う。何が違うかというと。


おうちの料理はある程度「簡単」であることが重要。作る前にその手順を想像して億劫になってしまっては元も子もない。毎日のことだからね。材料も最小限。でも、「おいしい」のために、絶対に省けない手順はしっかり残す。例えば、炒める肉にしっかり下味をつける、とか、調味料は先に合わせておく、とか。そこを省いた料理は、味がどうしても雑になってしまう。出来上がった料理がおいしくないと、次のモチベーションにつながらない。その手順と材料の見極めに、すごく時間と労力を費やしているのです。いざ、作るのは簡単だけどね。


一方で、レストランの料理は、それがおいしいにつながるなら、手をかけられるだけかける。もちろん時間に限りはあるけれど。この料理をおいしくしたい、という、欲望と意地の赴くままに。そして何よりわくわくするのが、そのときの季節の匂いを嗅ぎ取って、それを最大限に活かす組み合わせを考えること。考えるというよりも、勝手に動いている、というほうが近い。感覚や欲望の発散の場。ここがなくては、わたしは人生のバランスが取れない。


運動ができないから、「文武両道」なんてくそくらえ、とずっと思っていたけれど、わたしはこういう方法で文武両道していたんだな、と思った、本日の戯言。

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4年続いた山陽新聞のエッセイ掲載が終わって一年になる。連載の最後のほうはすこし疲れてきていて(そもそも飽きっぽい)、すこし書く仕事はおやすみかな、と思っていたのだけれど、こうして一年経ってみると(というか半年経ったくらいから)、もう書きたくなっていました。 好きなこと、には抗えない。ミーハー気質とは真逆の、超保守的な質なので、好きなことはずっと一緒。たぶん幼少期からほとんど変わっていない。読書感想

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